現実逃避の何が悪い

小説だって若者の読み物だと過小評価されていた時代はありました。ならば、ゲームや漫画やアイドルだっていつかは大衆に認められるはず。微力ながら、そういうお手伝いができればよいと思っています。

ドラえもん、母になる~大山のぶ代物語~

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先日NHKBSプレミアムで放送された「ドラえもん、母になる~大山のぶ代物語~」を見ました。

 

現在の水田わさびが演じる前にドラえもんの声をやっていて90年代生まれまでの人で知らない人はいないでしょう。その大山のぶ代さんがドラえもんを演じ始めるところから終わるまで、そしてドラえもんを演じる以前の話が描かれます。ドラマの合間にのび太を演じた小原乃梨子さん、しずかちゃんを演じた野村道子さん、スネ夫を演じた肝付謙太さんが登場するという贅沢な番組でした。

 

知っている人も多いと思いますが現在、大山のぶ代さんは認知症を患っていてドラえもんを演じていたことでさえ忘れてしまったそうです。悲しいことですが、老いには勝てません。

 

僕は今のドラえもんになる前まで見ていました。当時は、なぜ変わってしまうのか、大山のぶ代じゃないドラえもんなんてドラえもんじゃないと思って見るのを止めました。同じ人が多いのではないでしょうか。このドラマでは大山のぶ代ドラえもんを降板するきっかけとなったシーンが描かれていました。まだドラえもんを担当したとき、彼女はがんを患ってしまって手術することになりました。がんは無事摘出できたのですが、そのときにこの先のことを考えたのでしょうか。自分が死んだとき、いきなりドラえもんの声が変わってしまったら子供たちはひどくショックを受けるだろう。それなら新しい人に任せたほうがこの先もずっとドラえもんは子供たちのなかで行き続けてくれるはずだ。そう考えたのぶ代さんは降板を決心したそうです。

 

確かに、大人になるにつれて昔見ていたアニメを見なくなってしまいますね。僕もあんなに好きだった『仮面ライダーシリーズ』も『クレヨンしんちゃん』も今は見なくなってしまいました。今も次々と大御所の声優が亡くなり、『サザエさん』や『ルパン三世』のキャストも少しずつ変わってしまってますよね。とくにドラえもんは子供に影響力のあるアニメでしたからのぶ代さんや番組スタッフの判断は正しかったでしょう。今のドラえもんは今の子供たちのドラえもんです。当時は嫌でしたがそれが一番、ドラえもんにとってもよかったのでしょう。

 

最後のエピローグで、番組に出た3人それぞれのキャラの声でセリフを言います。あのころのドラえもんに少し会えたようで目頭が熱くなりました。

 

明日の23時45分から24時45分に再放送がやります。皆さんもあの頃のドラえもんにあってみてはいかがでしょうか?

 

最後までご覧いただきありがとうございました。