【鋼の錬金術師】未だに分からないことだらけ
小さいころから大好きで何度も読み返した作品。僕の漫画好きの始まりとなった漫画です。これほど徹頭徹尾、読者を飽きさせない長編漫画があるでしょうか。
久しぶりに読み返してみてもやはりその面白さは色褪せなていなかったです。しかし、意外とまだ分かっていないことがたくさんあることにも気づきます。真理の扉のことも、真理についても、自分がしっかりと理解していないことを思い知らされました。
オレはおまえ達が ”世界”と呼ぶ存在
あるいは”宇宙”
あるいは”神”
あるいは”真理”
あるいは”全”
あるいは”一”
そして
オレは”おまえ”だ
何度読み返しても意味深なこのセリフはおそらく永遠に分からないような気がします。荒川弘先生がどのような考えでこのセリフを言ったのかはどこにも語られていないです。
錬金術は現代の科学の前身となったもの。神の存在を否定したのが科学でした。1話のエドのセリフにこうあります。
神様を信じない
オレ達科学者が
ある意味神に
一番近い所にいるってのは
皮肉なもんだ
非常に的を射ている発言です。全知全能の神のように、科学者は物事のすべてを解き明かし真理を追い求める存在、おそらく人間自体にはそのようなことは不可能でしょう。だから人間ができないことをコンピュータに託しているのではないでしょうか。ある意味では神を創造しているといっても過言ではないような気がします。
この漫画の世界でさえ分からないことばかりなのに、現実の世界ではもっと分からないことだらけです。それでもその「真理」というものに近づくことを人間はやめていけないのでしょうか。ハガレンでは、神の領域に入ったものには天罰が下るシステムになっています。もしかしたらある意味ではこの漫画は反科学主義なのかもしれませんね。
最後までご覧いただきありがとうございました。