正義とは主観でしか語れない
様々な物事で語られる「正義」というちょっと口に出すと恥ずかしい単語。仮面ライダーでも僕らに「正義」とは何かということを問いかけます。ここで、他の作品では「正義」をどのように捉えられているか考えていきます。
1.勝者だけが正義だ!!!!ードンキホーテ・ドフラミンゴ
ワンピース史上最大に盛り上がったマリンフォード頂上決戦で放たれたドフラミンゴのセリフ。
海賊が悪!!?
海軍が正義!!?
そんなものは何度も塗り替えられて来た…!!!
これこそまさに的を射ていると思います。『ONE PIECE』では海賊とは「ロマンを追い求めるもの」と描かれていますが、本来海賊なんて略奪を行う悪者です。そういう海賊たちを取り締まるために海軍が存在します。海軍の軍服の背中にも大きく「正義」が書かれています。読者からするとかなり皮肉のような印象を受けるかもしれません。主人公はあくまでもルフィ率いる麦わらの海賊団で、彼らは海賊というだけで悪と見なされています。しかし実際のところ、海軍の汚職を暴いたり、奪われた仲間を取り戻したりと、見ている側からは海軍が「悪」となっていますね。明らかに「正義」と「悪」の境界が不鮮明だという証拠です。
2.救世主は正義のために立ち上がるが暗殺されてしまうだろうー二十世紀少年
『20世紀少年』 出てくる「しん よげんのしょ」では、上のように記されていました。これを見たヒロイン、かんなは「ともだち」を倒すために救世主が立ち上がると解釈しました。しかし、実際に起こったことは「ともだち」の暗殺でした。しかも「ともだち」の自作自演で。これはかなり衝撃を受けました。かんなはまさに『ONE PIECE』の読者だったのです。彼女からしたら、叔父のケンジを殺した「ともだち」は悪でした。確かに「よげんのしょ」ではケンジは「正義」で、「ともだち」は「悪」でした。けれども、「しん よげんのしょ」では主役交代するのです。「ともだち」が「正義」となるのです。ここからも分かるとおり、「正義」とは主観的なものしかないのです。
究極的に言ってしまえば、何が良くて何が悪いなんて本来存在しないのではないでしょうか。僕達はただの『ONE PIECE』の読者で、物事を見ているのです。だから、一方的に善悪の判断などできないと僕は思います。
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