現実逃避の何が悪い

小説だって若者の読み物だと過小評価されていた時代はありました。ならば、ゲームや漫画やアイドルだっていつかは大衆に認められるはず。微力ながら、そういうお手伝いができればよいと思っています。

【ブリッジ・オブ・スパイ】想像もできない冷戦時代

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 『ブリッジ・オブ・スパイ』見てきました。公開終了間近にやっと見ることができました。

 

 舞台は1957年、冷戦真っ只中。FBIに逮捕されたソ連のスパイ、ルドルフ・アベルを弁護することになったジェームズ・ドノヴァンは世間から後ろ指をさされながら、必死で弁護します。何とかアベルを死刑から禁固刑にすることに成功したドノヴァンだが、その後すぐにソ連でアメリカのスパイが逮捕されてしまいました。ソ連アベルとの交換を要求し、アメリカ政府は公証人としてドノヴァンに白羽を立てるのです。

 

 戦争映画はたくさん見てきましたが、意外と冷戦時代を舞台にした映画を見たことがあまりありませんでした。だからものすごい新鮮でした。実際に殺戮が繰り返されるような戦争ではありませんが、いつ戦争が勃発してもおかしくない緊張感が常に漂っています。小学校ではソ連が爆弾を落としてきたときの対策法を教えられ、すべての人間が平等に扱われるはずの法廷でさえ、ソビエト人を不当に扱うような世の中だったそうです。ある意味では国民に最も身近な戦争だったのではないでしょうか。

 

 今の中東のような、ひどい惨状ではないというのが今までの僕の中での冷戦のイメージでした。しかし、実際はお互いに諜報員を送りあって情報を探るという水面下でさまざまなことが行われていました。ものすごく国民同士が憎みあっているように感じました。映画を見ているだけで息がつまりそうでした。ただ、この緊迫感は今まさに感じられるものではないかと感じました。本来、感じなければならないのかもしれないが自分が鈍感なためにそれが感じられていないのではないだろうか。確かに日本は少し離れているところに位置していると思います。もしかしたらすでにこのようなことが現地に起こっているのかもしれない。そう思うと背筋が凍りましたね。

 

 久しぶりに見たスピルバーグの新作でしたが、満足の作品でした。『シンドラーのリスト』を思わせるような、スピルバーグなりのアプローチがあったと思います。『シンドラーのリスト』見直そうかな。トムハンクスも本当に素晴らしい俳優さんです。

 

 もうすぐ上映が終了してしまうので見ることができないかもしれませんが、レンタルされたときにぜひご覧になってはいかがでしょうか?

 

 最後までご覧いただきありがとうございました。