現実逃避の何が悪い

小説だって若者の読み物だと過小評価されていた時代はありました。ならば、ゲームや漫画やアイドルだっていつかは大衆に認められるはず。微力ながら、そういうお手伝いができればよいと思っています。

僕だけがいない街

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 最近はまっている漫画『僕だけがいない街』。僕自身もアニメを見て単行本を買った派ですが、とても面白い!再上映(リバイバル)という能力を持った主人公が、少年時代に起こった少女連続誘拐事件を解決する話ですがひとつ疑問なことに思ったことがあります。主人公の少年時代、昭和63年(1988年)が舞台なのですが、この頃といえばバブルが崩壊したころですね。去年映画化されて『ソロモンの偽証』も舞台は1990年という共通点に気がつきました。

 

 僕はこのころまだ生まれていなかったのでどういう状況だったかはあまり知らないのですが、バブル崩壊後の世の中ってそんなに暗い雰囲気だったのでしょうか。どちらの

作品もとても街が元気がない。何が起こってもおかしくないような世界でした。活気のあったバブルから一気に地獄に突き落とされたという感じでしょうか。この暗い雰囲気が逆に物語を作り出したのでしょう。

 

 結構、物語のバックグラウンドを時代と照らし合わせると面白いですよ。たとえばクリストファー・ノーランの『ダークナイト』とかも9.11以降のアメリカの正義についてのノーランの考えが表されていると言われています。もちろん色んな批評がありますが、僕はこういう時代による作家の心理状態に注目するという批評方法が好きです。皆さんも色んな角度で作品を見ると非常に面白いですよ。

 

 最後までご覧いただきありがとうございました。