現実逃避の何が悪い

小説だって若者の読み物だと過小評価されていた時代はありました。ならば、ゲームや漫画やアイドルだっていつかは大衆に認められるはず。微力ながら、そういうお手伝いができればよいと思っています。

キングダムから学ぶリーダー論

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今回は今年一番ヒットした漫画「キングダム」について書いていこうと思います。

司馬遷が編纂した「史記」で有名の戦国春秋時代が舞台の漫画ですね。始皇帝が史上初の中華統一するまでを描いた物語です。友人の高漸離を殺さずに目を潰して召抱えたり、不老不死の薬を探させたりするなど、どちらかというと狂人で知られる始皇帝ですがこの話ではイケメンでめっちゃいいやつで描かれています。始皇帝の時代に活躍した将軍の中で出生が不明の李信を主人公に物語が進みます。信を下僕という設定して、そこから天下の大将軍に成り上がるサクセスストーリーです。

部隊の人数によって統率が変わる

この信は下僕からのスタートなので伍という五人部隊から始まります。そこから100人将、300人将、1000人将と出世していきます。僕がとても面白いと思うのは人数が増えることによって今まで強かった部隊が逆に弱くなるところです。魏のレンパとの戦いで急に1000人将になった信でしたが、意外と彼はうまく1000人をまとめるわけですね。対して、ライバルのオウホン率いる玉鳳隊は今までの精鋭部隊と後から追加された700人とがうまく噛み合わないのです。これは結構リアルな話で会社経営でも、今までうまくいっていた企業が人数が増えることによって統率がとれなくなり経営不振になることがあります。戦争と会社経営を比較するのはあまりよくないかもしれませんが、集団を率いることに関して通じるところがあるように思います。

戦い方が変わってくるところも面白いですね。だいたい300人将あたりまでは、敵の虚をついて大将首をとるような感じで武功をあげてきました。この辺は細かい策略をたてるわけではなく、少人数ということを生かして敵の死角から攻めるという形が多かったです。それに対して1000人将になるとより緻密な戦略で敵を撃破していきます。しかも、300人将との大きな違いは自分の隊の活躍で戦況が大きく変わることです。不利な状況でも、ひとつの1000人部隊が敵を撃破していくことでそこから流れが変わることもあります。1000人をまとめることは非常に難しいことですが、うまく歯車が噛み合えば周りへの影響力は絶大なのです。

リーダーは「本能型」?「知略型」?

この漫画に出てくる将軍は大きく二つに分かれます。自ら先頭に立って味方の士気を上げる「本能型」。自ら戦略を立てて部隊をコントロールする「知略型」。主にこの二つに分かれます。モウブやヒョウコウは前者で、リボクやオウキは後者にあたります。どちらも優秀な将軍ではありますがヒョウコウの場合、勘を頼りにしているのでその分味方にも大きな損害が被る。かわりにあらゆる知略型の策を破っていくので彼は本当にすごいですね。

どっちがいいかというとやはり損害の少ない知略型ですね。ただ、やはり先頭に立って集団をひっぱいっていく本能型もかっこいいです。何よりこの漫画では本能型のほうが輝いているように見えます。あなたはどちらでしょうか?

王騎将軍のカリスマ性

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この漫画を読んでいる人なら誰もが好きであろう王騎将軍。序盤では敵かと思われましたが、とんでもない人物でしたね。昭王時代に活躍した六将のうちの一人「怪鳥の王騎」は伊達じゃないっすよね~^^;時には先頭に立って敵をなぎ倒すときもあれば、戦争というものをよく理解していて意外と知的な面が多い王騎でした。僕が思う王騎の素晴らしいところはやはりあのカリスマ性ですね。戦いには負けましたが死に際もまたかっこよすぎます。僕が一番好きなシーンは信に将軍の景色を見せるシーンです。高みに上ったものだけが見ることができる景色を信に見せることで、信の中の将軍のイメージを王騎は鮮明にさせます。自分が死んだあとに活躍するであろう若者に最後に最高の置き土産を王騎は置いていくのです。このシーンのあとの信の描き方が少し変わることは皆さんお気づきでしょうか?彼こそ僕たちが見習うべきリーダー像ではないでしょうか。

終わりに

「キングダムから学ぶリーダー論」と題しましたが、いかがでしたでしょうか。戦争とはほど遠い僕たちですが、彼らから学ぶことは多いと思います。これからも僕たちにたくさんの気づきを与えてくれる作品でしょう。まだまだ語りたいことはたくさんありますが、今回はこのくらいにしておきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。