現実逃避の何が悪い

小説だって若者の読み物だと過小評価されていた時代はありました。ならば、ゲームや漫画やアイドルだっていつかは大衆に認められるはず。微力ながら、そういうお手伝いができればよいと思っています。

【相棒】ファッションとしてのテロ

旅行に行っていたためしばらく更新をストップしていました。申し訳ありません。

 

年度末も近づくなかでドラマが次々と最終回を迎えていますね。今シーズンは面白いものが多かったから寂しい……(T^T)毎回2シーズン跨いで放映される『相棒14』もついに最終回。反町隆史がワンシーズンだけという噂もあって個人的には続けてほしいと思っていましたが、正式に警視庁に入る形になってほっとしております^^

 

さて、シーズン14の最終話「ラストケース」でしたが主犯格の狙いは日本国民にテロに対する意識を高めるというものでした。中東やヨーロッパでどんなにテロが起こっていても、日本人は対岸の火事としか思っていません。そんな日本で、総理大臣をテロによって殺せば日本人の危機意識は向上すると考えた人々の犯行でした。農林水産大臣の菊本なんて「日本は危険な国にならなければならないのだ」というかなり危ない発言をしていましたね。犯人の動機としては、シーズン10のお正月SP『ピエロ』の草壁と似ていましたね、社会派系の話で、久々に最初から最後まで面白いものとなっていたと思います。

 

今回かなりうまく捉えていたと思ったのは、始めの銃殺事件での生き残り金井塚でした。彼ははじめただのメッセンジャーで犯人とは何も関係ないと思われていましたが、何と協力者の一人という結末でした。しかも、彼がテロに加担した理由が「かっこよさそうだから」という呆気に取られるものでした。特に社会的意義も何もなくただファッションとしてテロリストになったのです。かなり馬鹿馬鹿しいように思われますが、これは今の若者をうまく捉えていると思います。毎日がつまらない人にとって、テロとは非現実的でジェットコースターのようなアミューズメントのように思ってしまうのでしょう。実際に日本人の若者でもISに入ろうとして中東に行こうとする大学生がいましたね。金井塚も同じようなものだったのでしょう。

 

このように若者が思ってしまうのはなぜでしょう。やはりテロが映像の向こうのものだからでしょうか?菊本の言っていた「テロ意識の低い日本」が生んだ産物がまさに金井塚だったのだと思います。テロに対する意識が低いというのは平和な証拠だとは思います。ただ、あまりにもテロをある種のエンタメのように捉えてしまう日本人を生み出さないためにはどうすればいいのでしょうか。もちろん、菊本たちがやろうとしたようなことは明らかに間違っています。しかし、ではどうすればいいのかというのは現段階では出すことはできません。今回の相棒はそのようなことを考えさせられる名回だったと思います。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。